立川談志・談春親子会@歌舞伎座
談志は去年の暮れあたりから体調が相当悪いらしく、「最後の高座を見たことあるって自慢できるかもしれませんよ」て冗談を挟みながら「やかん」をやっていたが、見るに堪えないというか、痛々しかった。喉の調子も悪くて声が思うように出てこない状態でかなり聞こえづらかった。
休憩中に通路にでた時そばにいた爺さんが、おそらく関係者らしき相手に電話しながら「音、ちいせぇよ。何も聞こえやしねぇ」と文句をたれていた。さらに「談春はまだまだ歌舞伎座でやるタマじゃあねぇなぁ。談志がいてこそだよ」とかぼやいていたが、「赤めだか」に書いてあるようなことや20年以上師匠と弟子という関係であり続けることなんて一般の人には想像がつかない。
ただ、談春の落語の上手い下手はよくわからないが、一生懸命稽古した苦労とか、真面目でそつがない感じとかがちらっと見えると途端に興醒めする瞬間はある。筋がいい人間が稽古を積むと上手になっていくんだろうけど、面白さだけは稽古でどうにかなるものではないような気がする。
その点ジジイの噺家が醸し出す良い加減さは魅力だ。談志も客席に向かって「芸人が舞台の上で困ってるのを見てるのはどんな気持ちですか?」なんてことを言っていたけど噺家に限らず年齢を重ねてから自然と滲み出てくる面白みがあって、自分勝手でわがままだったり頑固だったりする人ほど可愛げがあって面白い。志ん生と百けんを面白いと感じる理由は同じで、たぶんそれだ。

よくチケットとれたねぇ